

はんのう
親学の会
当会の活動について各ページにて説明いたします。

親が育つ 子どもが育つ
「子育て」というと、親が子どもに対して与えるという一方向のもののように考えられがちです。ところが親は、子育てをすることで何も得られないわけではありません。まして犠牲となるわけでもありません。
親学では、親のすべきこと(役割)を学んでもらうだけでなく、子どもを持つ喜びや、子どもの成長を喜ぶ気持ちを深め、豊かな親心を育むことが大切だと考えています。
つまり親学は親としての学びであるとともに、親が人間として成長するための学びでもあります。これから親になる人はもちろん、現在子育て中の人が親学を学ぶことにより、親としても人間としても成長し、自分に自信を持てるようになってほしいのです。
主体変容
親学の目的は、「親の成長を通して子供の心を育てること」です。子供の心を育てるにあたって、親が心すべき最も大事なことは、「親自身が変わり、成長しなければならない」ということです。これまでの子育て支援策は、保育サービスの量的拡充や働いている親への経済的支援に主眼が置かれてきましたが、親の人間的成長を促す「親育ち」支援が何よりも大事です。
子育てに伴う困難や問題は、親と子が「共に育つ」ために与えられたものとプラス思考で受けとめることが大切です。
北海道家庭学校(北海道遠軽町の児童自立支援施設)の教会には「難有」と書かれた額が掲げられていますが、「難が有るから、有難い」という感謝の心が育つのです。マイナスと見える問題に対して、プラス思考で臨む心の姿勢や生き方の転換を「観の転換」「主体変容」と親学では表現しています。子供の健全な成長、発達と将来の幸福を心から願う「親心」の涵養を親学は目指しています。親心の特性である慈愛(母性)と義愛(父性)の調和ある涵養が大切です。
親の子供観、人生観、幸福観などが変われば、子供が変わり、地域社会が変わり、学校も国も変わります。子育ては本来、親にとって喜びであり楽しいものです。子育てで孤立している母親を支える父親の育児への協力が必要不可欠といえます。
最新の科学的知見
学術研究に基づく幼児期の子育ての重要性が明らかになり、政府機関や民間の報告書などにも反映されています。
3歳までの間が脳・神経系や情緒・生活習慣の発達上重要な時期であり、この時期に「誰がどう世話をするか」は重要な問題である。(日本学術会議「子どものこころ特別委員会」報告書)
子供が3歳になるまでに成人としての価値観や社会的な行動の基礎が築かれる。この時期に受ける愛情に満ちたケアや養育、そうした大事な経験がないことが、幼い心に消すことができない刻印を残すことになる。(ユニセフ「世界子供白書」)
http://www.unicef.or.jp/library/pdf/haku1.pdf
共感・誇り・恥などの感情や自己コントロール能力の芽生えは2歳頃までに現れる。(文部科学省「子供の徳育に関する懇談会」報告書)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/053/index.htm
脳の発達には「臨界期」があり、自己抑制能力や共感能力を司る大脳前頭葉の発達は、3歳までが臨界期である。( その子育ては科学的に間違っています )
伝統的子育ての見直し
子供の発達段階に応じた親のかかわり方について、日本人は「しっかり抱いて、下におろして、歩かせる」と語り継いできました。
「しっかり抱いて」は、親に甘えて依存するという、母子の「愛着」形成の重要性を表しています。
「下におろして」は、愛着からの「分離」、「歩かせる」は、「自立」を意味しています。
「愛着」が慈愛の母性的かかわり、「分離」が義愛の父性的かかわりといえます。
「3つ心6つ躾9つ言葉12文(章)15理で末決まる」という江戸時代の格言もあります。
千利休が茶道の心得を百首の和歌に託したといわれる「利休道歌」の中に、「規矩(基準、物差し、の意)作法守りつくして破るとも離るるとても本を忘るな」という「守破離」の精神を詠んだ和歌があります。
「守」とは、師の教えに従い、師の形を学び、形の「格」に至る、「基本」の型を体得する段階、「破」とは、自分の特質を加味して「応用」していく段階、「離」とは、自由に自分独自の個性を「創造」していく段階といえます。
これは、「他律」から「自律」、「自律」から「自立」という子供の発達段階に応じた伝統的な子育ての在り方にもあてはまります。
「3つ子の魂百まで」、「可愛くば2つ叱りて3つほめ5つ教えて良き人にせよ」という言い伝えも大切にしたいものです。

親学とは
「親になるための学び」「親としての学び」
のことです。
親になるためにこれだけは学んで欲しいこと、それを伝えるのが親学です。親学という言葉には、「親としての学び」と「親になるための学び」の二つの意味が含まれています。
たとえば、親として、子どもの発達段階に応じてどうかかわったらよいのかといった大切なことを学びます。
それらは、知識やテクニックといった小手先の内容だけではありません。親が自分自身を見つめなおし、成長してもらうためのものなのです。